再録にあたって
藤井枝里 
 

2007年初め、約1年間の留学に向けて準備も進み、出発が近くなったある日。私は、定期講読していた『人民新聞』を解約しようと思い、編集部に電話をかけた。「ちなみにどちらへ? …あ、南米ですか、それは面白そうですね…」。気が付いたら、月に一度の社会運動レポートを依頼されていた。
 右も左も分からないアルゼンチンで、とにかく、デモに出て、集会に参加して、いろいろな人に話を聞いた。始めの頃は、恥ずかしいくらい片言のスペイン語で。「アルゼンチンの息吹」という表題は、『人民新聞』の編集部の方がつけてくださったものだ。でもそれは、この経験を通じて、私自身の中に生まれた小さな息吹だったのだと、いま思う。
 運動家でも専門家でもない、ひとりの大学生だった私が、アルゼンチンで見てきたこと。多くの人に、読んでいただければ幸いです。

アルゼンチンの息吹(全8回)

1.「IMFの優等生」から社会運動の発信地へ
 
 
 
『人民新聞』2007.4.25(第1276号)
2.労働者の自主管理で病院を最建
 
 
 
『人民新聞』2007.5.25(第1279号)
3.環境問題と新自由主義
 
 
 
『人民新聞』2007.7.5(第1283号)
4.日々の生活のなかから形成される力
――農民運動の体験実習に参加して

 
 
『人民新聞』2007.9.15(第1289号)
5.不平等に抵抗する変革の手段「ピケテーロス」
 
 
『人民新聞』2007.8.5(第1286号)
6.NGOボランティアに参加
――自律性とは何か?

 
 
『人民新聞』2007.10.5(第1291号)
7.女性の権利拡大の闘い
 
 
『人民新聞』2007.11.5(第1294号)
8.社会問題を可視化するオルタナティブメディア
 
 
『人民新聞』2007.12.5(第1297号)
 
藤井枝里(ふじい・えり)

上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業。2008年8月より、アルゼンチン・ラテンアメリカ社会科学部(FLACSO)社会・政治人類学修士課程。