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再録にあたって
藤井枝里
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2007年初め、約1年間の留学に向けて準備も進み、出発が近くなったある日。私は、定期講読していた『人民新聞』を解約しようと思い、編集部に電話をかけた。「ちなみにどちらへ? …あ、南米ですか、それは面白そうですね…」。気が付いたら、月に一度の社会運動レポートを依頼されていた。
右も左も分からないアルゼンチンで、とにかく、デモに出て、集会に参加して、いろいろな人に話を聞いた。始めの頃は、恥ずかしいくらい片言のスペイン語で。「アルゼンチンの息吹」という表題は、『人民新聞』の編集部の方がつけてくださったものだ。でもそれは、この経験を通じて、私自身の中に生まれた小さな息吹だったのだと、いま思う。
運動家でも専門家でもない、ひとりの大学生だった私が、アルゼンチンで見てきたこと。多くの人に、読んでいただければ幸いです。
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アルゼンチンの息吹(全8回)
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藤井枝里(ふじい・えり)
上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業。2008年8月より、アルゼンチン・ラテンアメリカ社会科学部(FLACSO)社会・政治人類学修士課程。
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